現在と過去と未来と

自慢できることではありませんが、私は、日常的に英会話を使う必要にせまられるまでは、現在とか未来とか過去の正しい話し方を改めて考えたことがありませんでした。もちろん、She 「シー」「彼女」とか He 「ヒー」「彼」の時は現在形には s をつけるとかそういった学校でならったことは知識としては知っていましたが、会話となると、s がついていなくとも通じますので、ずいぶん、文法的には間違いをおかしていたと思います。

 

大部分の日本人のように教科書で勉強した人たちにとっては like 「ライク」はどういう意味かということは分かりますし、彼女とか彼の現在形には s がつくということは理屈では分かっていても、とっさの会話のときに She likes cheese cake. 「シーライクス…」「彼女はチーズケーキが好きだ」、ととっさに s つきの likes 「ライクス」がすぐ出てくる人は相当の量の英語を聞いている人ではないかと思います。大部分の日本人は教科書を見て学んでいますので、She like cheese cake. 「シーライク…」と分法的には間違ったセンテンスを瞬間的にはなんの疑いもなく発するのではないでしょうか。 

 

私も I will do it tomorrow.  「アイウィル…」「今、やってないけど、明日やる」、と will 「ウィル」が問題なくすらすら出てきたのは、英語圏で生活するようになって、大分たってからです。回りの英語を聞いて、未来は will 「ウィル」を使うんだということが頭に刻み込まれるまでは時間が必要でした。  

 

やはり、日常的に英会話を使うようになると、あたりまえのことですが、過去なのか希望なのか、これからするつもりの未来なのかによってずいぶん話しが違ってきます。

 

過去形になると事態はもっと混乱します。will 「ウィル」だけつけて済む問題ではないので、辞書で知っていても、しゃべっているのを聞いたことがないものは誤解して使うことを避けるためなるべく使わないようにしました。しかし、日常的には英語圏の人々もそんなにむずかしい表現はしないものです。耳で聞いて、使えそうなセリフから覚えて、だんだん応用していきましょう!

■He fought for his country.  「ヒーフォート、フォーヒズカントリー」

「ファイト」「戦う」の過去形の「フォート」はなかなか思い浮かばないと上に書きましたが、何度も何度も聞く機会があれば、「フォート」もすぐ出てくるようになります。

これは映画「ラブ・アクチュアリー」から首相の妹のカレンがご主人にむかって言うセリフです。私は、この映画は数え切れないほど見ているので、「ヒーフォート、フォーヒズカントリー」のような短いセンテンスはもう大部分が記憶済みです! 

 

-What did my brother do today?  「兄が今日何をしたか知ってる?」 He stood up and fought for his country.  「彼は立ち上がってイギリスのために戦ったのよ! 」「ヒーフォート、フォーヒズカントリー」 What did I do?  「私は何をしてたかしら。」 I made a papier-mache lobster head!  「張子のロブスターの頭を作ってたワ! 」 

 

 

 

■「フルー」って何の過去形?

難しい過去形でも人が使っている文脈を考えれば、何の過去形なのか想像がつくはずです。言葉はまず聞いてなれて、それをまねて使ってみることです。難しい言い回しであっても、世の子どもたちはお母さんの口ぐせをまねたり、テレビのコマーシャルをまねたりして言葉を覚えますよね! その要領です。この引用のように何度も「フルー」が出てくると、意味も使い方も分ってきますし、記憶にも残るでしょう。

 

-None of them could locate Jed.   So Mark flew over to Interpol.  「誰も、ジェッドがどこにいるのか分からなかったの…。そこで、マークが国際警察に飛んだのよ。」 「…フルー、オーバー、トゥ…」

-Which is in Lyon.  「それはリオンにあるんだけどね…。」They located Jed in Dubai.  「それでジェッドがドバイにいることがわかったの。」 But they don't normally extradite people from there.  「だけど、普通は、彼らはそんな人を国外に引き渡したりしないのよね…。」 So Mark rang up the Home Scretary who rang our ambassador....  「それで、マークが内務省に電話して、内務省が駐在大使に電話したのよ。」

-In Riyadh.   「それはリアドにあるんだけどね…。」 Then Mark flew to Dubai where he identified Jed who was impounded and pushed out the country.... into ..... 「そして、マークはドバイに飛んで、そこで拘置されていたジェッドをみつけて国外に出したわけ。」 「…フルー、トゥ…」

-Saudi Arabia, 「それは、サウジアラビアなんだけどね。」 where Mark was waiting with the police.   「そこでマークと警察が待っていて…」 Jed was arrested and extradited back to Britain.  「ジェッドは逮捕されてイギリスに引き渡されたわけよ。」 Then Mark flew to Bangkok to make damn sure they'd let you go. 「それから、マークはバンコックに飛んで、あなたが間違いなく無事に釈放されるか確かめたの。」 「…フルー、トゥ…」

-Oh.... 「まあ! そうだったの…」

 

ブリジットジョーンズの日記 きれそうな私の12ヶ月」より。ブリジットの友だちたちがマークが世界中を文字通り「飛び回り」、ブリジットの無罪を証明したことを熱弁しています。「フルー」が何度も出てくるので、あっちこっちに行ったことが分るセリフです。 

 

 

 

 

■「ユー、グルー、ジーズ?」

と、いきなり言われてもなんのことかさっぱり分らなかったりするかもしれません。「ユー」と「ジーズ」はとっさでもわかるかもしれませんが、動詞であろう真ん中の「グルー」が何を意味するか、瞬間に分らないときはこの単語がいろんなふうに形を変えて何度も何度も表われるまで、初心者のうちは分らないものです。

 

でも、状況を見たり、体験したりすれば、なんとなく分る場合も、「ああ、あれね! 」って分る場合もあります。

 

-Summer peas from my garden! 「庭でとれた豆よ! よかったら! 」

-You grew these? 「まぁ! あなたが育てたの?」「ユー、グルー、ジーズ?」

-A hundred percent local organic. 「百パーセント地元の無農薬野菜よ! 」

-Thank you!  「まぁ、ありがとう! 」

 

エルが、隣に越してきた夫婦のところに家庭菜園の野菜を持ってあいさつをしに来た場面。grow 「グロー」の過去形が「グルー」でした。こんなふうに、状況を体験しないと、予想できない過去形はなかなか覚えにくいですよね。ホワイトカラー3-13話より。   

 

 

 

 

■「メント」って何?

「メント」は英語圏にいるとよく聞く単語です。現在形ですと mean 「ミーン」「意味する」なので、みなさんにはおなじみですが、過去形ですと「メント」となり、すっかり変わってしまい、私も最初はとまどいました。しかし、何度も聞こえてくると記憶もしやすく、自分でも活用できるようになるものです。

 

-You are his godmother!  「あなたは彼の名付け親でしょ! 」

-To Billy!  「そうよ、ビリーのね! 」

-Ben! 「ベンよ! 」

-Ben!  Yes!  That's what I  meant!  Ben!  「ベン、イエス!  ザッツ、ファッタアイ、メント! ベン! 」「ベンだったわね!  そう言おうと思ったのよ!  ベンよ! 」 

ホテルバビロン2-4話より。レベッカと友だちの会話。何年かぶりで友だちに会ったレベッカはいろんなことをすっかり忘れていて、友達にちょっとひんしゅくを買っている場面です。

 

-I really don't think she meant to hurt you.  「アイドンシンク、シー、メント、トゥハート、ユウ」「彼女はあなたを傷つけるつもりはまったくなかったと思うワ。」

ホテルバビロン2-4話より。親友のエステルがレベッカの元夫と付き合っているらしいことが明るみに出て、キャロリンがエステルを擁護して言うセリフ。

  

 

-I want Evan to stay. 「エバンもここに残ってほしいワ。」

-No, no, no, no.  She's delirious.  「いやいや、彼女は頭がもうろうとしてるんだ。」 She meant Donald, right?  You meant Donald. 「ほんとうはドナルドと言いたかったんだヨ。そうだろう? ドナルドに残ってほしいんだよネ。」

-She meant you.  Stay! 「シーメント、ユー」「フェイスはあなたに残ってほしいって言ってるんだ。残ってやれ! 」

ロイヤルペイン~救命医ハンク~2-3話より。エバンはフェイスの兄のドナルドが恐ろしくてフェイスに近づけません。 

■過去も現在も未来も「アイラブユー」

 

-I love you.  「愛しています。」 I always have and I always will!  「いままでも、これからも、いつも!  」 Oh!  Umm...  I don't love you and I never have and I never will.   Sorry.... 「あら! ごめんなさい!  あなたのことは愛してないワ!  いままでもこれからも。ごめんなさい。」

 

これは簡単でしかも過去、現在、未来がひとつのセリフに入っているこのテーマにパーフェクトな引用です。「アイラブユー」というより100倍も想いがこもっていますよネ! Oh! 「オー」「あら!」からのセリフは、間違って別の部屋に入ってしまい、知らない人に言ってしまったので、まったく逆のセリフになっています。好きな人には前者のセリフを言いましょうネ!

 「ブリジットジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」より。 

■「主語が何か」にまず神経を集中しよう! 

She likes .... 「シーライクス…」、He likes ... 「ヒーライクス…」、It belongs .... 「イトビロングス…」のように、三人称単数の主語に気をつけましょう。

 

-If the Hamptons don't ...., I mean, doesn't want to start with me.... then I will start without them.   Oh, I mean, "it".  (意訳で)「もし、ハンプトンズの人たちが、こないんだったら、私は彼らなしで始めるワ。」

 

これは 、日本語には直訳できないセリフです。 Hamptons 「ハンプトンズ」はアメリカのハンプトンの3つの地域の総称で単数形ですので、それにつく動詞は don't 「ドント」ではなく、doesn't 「ダズント」になります。そして、ハンプトンズの人たちが祝福しにこなくても、始めてしまうということを言いたい場合は、without them の複数形ではなく、without it の単数形になります。

ロイヤル・ペインズ~救命医ハンク~2-10話より。

■簡単な単語で話そう

 あいづちのバラエティは英会話の入り口

 現在と過去と未来と

 その方向に向かっている「進行形」

 過去から現在に至る時間~完了形

 How are you? 「げんき~?」と聞かれて

   自己紹介

 断るとき

   誘うとき、誘われるとき

 or something 「~か何か」は忘れたときの救世主

 that...「ザット…」ばっかり!

 thing(s)「ほら、あれあれ!」

 love or like 「愛している」のか「好き」なのか

 wouldとか could とか should など

   should've 「シュドゥブ」

   might

 「怒る」upset か angry か

 「やさしい」sweet か kind か

 wonder をつかって頼みごと

   Do you find....? の勘違い

 embarrass 「エンバラス」「はずかしい」

   actually.. 「実は~」「現に~」

   ever と never

 そのものズバリを言わない

   weird ウィアード 「変だね」

 So do you. 「あなたもそうです」

 fool, stupid など

 お金の問題、貸す、借りるなど

 though ゾー

 yes と no -日本語との違い

   ユーモアのセンス-人を笑わせる

 あまり話したくないとき

 ほめる

   印象的な話し方

 カタコト英語

 天気の話し

   I don't know.

 kind of - あいまいに言う

 in ten minutes 10分後に 

 複数形の s

 生理現象

 自分から発するとっかかりの言葉

 .... or not 「オアノット」  

 敬語-丁寧に話す

   You don't mind....の答え

   ... for good? フォーグッド?

     let's, let, レッツ、レット

    a little アリトル「ちょっと」

   分かれるとき