ユーモアのセンス-人を笑わせる
ユーモアのセンスは文化の差があったりもしますが、共通なものももちろんあります。人を笑わせるのは外国語の知識プラス独特のセンスが必要です。ですので、母国語であってもまったく話しのおもしろくない人、ユーモアのセンスが全くない人もたくさんいますよネ!
日本語でも英語でも共通なもののひとつは、知らないふりをしたり、怒ったふりをして相手をちよっとびっくりさせてから、「冗談よ!」とか言って場を和ませて人々の笑いを誘うことはよく使う手です。 難しい単語は必要ありませんが、イントネーションと表情はとても重要です! それとユーモアの分る相手に話しましょう!
■知らないふりをする
-You are the one got shot at. We'll sleep on the fold out. Only question is where Fritz's gonna sleep. 「おまえは銃で撃たれたんだ。私たちが簡易ベッドに寝るよ。そうなると、問題なのはフリッツはどこに寝るかだよな…。」
娘の恋人のフリッツが返事に困ることを知っていてわざと冗談でブレンダの父が言うセリフ。
クローザー3-9話より
■怒ったふりをする
-Agent Howard, Federal Bureau of Investigation. (It does) not occur to you to pick up the telephone and call to ask my blessing? 「FBIのハワード捜査官は、電話して私に(結婚の)了承を得ようとは思わなかったのかな。」
-Well, I'm sorry, Sir. But Blenda and I are both adults and I love your daughter.... 「えぇ、そうですね…。申し訳ありません、お父様。しかし、ブレンダも私ももうりっぱな大人ですし…私はお嬢さんを愛しています…。」
立って殴りかかろうかに見えたブレンダの父は、娘の恋人のフリッツにハグします。あー、びっくりしたー。フリッツは冷や汗ものですが、まわりは笑えますよネ!
クローザー3-9話より
■全く反対のことや、あり得ないことをちょっと脚色して普通のトーンで言って相手の笑いを誘うことも日本語と共通しています。
-Oh, she went to some biker party a few days ago and never came back. 「ローリーはバイクの暴走族パーティーに何日か前に行ったっきりまだ帰ってきてないのよ。」
-Again? 「また?!」
-Yeah, we gotta start disciplining that girl. 「そうなのよ。あの子をもっと厳しくしつけなくちゃ。」
ローリーは勉強熱心でいい子どもの見本みたいな娘ですからこんなことはあり得ないことですが、冗談の通じるクリストファーだったら、平気で、その冗談に合わせて会話ができます。
ギルモアガールズ2-14話より
-What? 「何?」
-You look like something to say. 「何か言いたそうだけど…。」
-I have nothing to say. I never have anything to say. 「何もないわヨ。何か言いたいなんて一度もないワ。」
-Yes, that is your reputation. 「そうね。それがママの評判よね。」
ローレライはいつも言いたいことは言っていますから、「言いたいことを言わない」なんて冗談で、ローリーも会話を合わせています。普通の場面でしたら、笑えるところです。この場においてはそんな雰囲気は全くないですが…。ギルモアガールズ2-13話より
-The topic for today's debate is doctor-assisted suicide. 「今日の討論会のテーマは『医師の助けを借りる自殺』です。
-That's pleasant. 「まあ、楽しい話題だこと。」
この場面では、スーキーが、暗くて深刻なテーマなのに全く逆に言うことで、ちょっと皮肉っているような冗談にも聞こえます。でも、笑えます。ギルモアガールズ2-14話より
-Go to Paris. 「パリに行ったら?」
-We always go to Europe in the fall. 「ヨーロッパにはいつも秋に行くのよ。」
-I've heard the rumor that Europe is still there in the spring. 「うわさではヨーロッパは春にもそこにあるって話しだよ。」
ヨーロッパがいつも存在することは、特に誰がうわさするものでもありませんが、ジョークの好きなローレライはいつもさらっとおもしろいことを言います。彼女のセリフはジョークのよいお手本になります。
-So, whatever everyone like a drink? 「さて、みんな何を飲む?」
-I'll have a white wine. Dean will have a beer. Corona? Right? 「私は白ワインにするワ。ディーンにはビールをあげて。コロナよね? 」
-What!? I don't want a beer! I don't drink beer! I'll have a water, a soda, or nothing. Not a beer! Never a beer! Beer is bad! 「えっ! ボクはビールなんて飲みません! 水とか、ソーダとか…、または、何もいりません! ビールなんて! 決して飲みません! ビールは悪い飲み物です! 」
-Relax, Dean. That's just Lorelei's little sense of humor. 「リラックスして、ディーン。ローレライのちょっとした冗談よ! 」
ギルモアガールズ2-1話より。ありえないことを笑いをとるために言うのはローレライとローリーの親子の日常的なことでが、ここでは、慣れない場にいて緊張しているディーンをさかなにしたジョークで、笑いをとってなごやかな雰囲気にしています。
-So, when would be your turn? (友だちの結婚式の話題の後に)「それで、あなたの番はいつなの?」
-(in) A week on Wednesday. 「一週間後の水曜日だよ。」
-Oh, you didn't say! 「あら、言ってなかったワヨ!」
-I want to make a surprise. 「びっくりさせたかったんだ。」
-I knew. (父)「私は知ってたよ。」
-Oh, no, I haven't bought a hut! 「そうだわ、帽子を買ってないから買わなくちゃ。」
「家族の庭」より。母が息子のジョーにいいニュースでもあるか聞いている場面。すべて冗談ですが、ジョーと両親の間でこれがひとしきり続きます。※この映画は日本語字幕のみです。
-Wait a minute. 「ちょっと待てよ。」 He's back. 「やつが戻ってきたぞ。」
-All right! Cleaver. Outside! 「よし、クリーバー、外へ出ろ! 」
-I'm sorry. 「何だって?」 Outside? 「外へ出ろだって?」 Should I bring my dueling pistols or my sword? 「決闘用のピストルを持っていけばいいかな、それとも剣かな?」
ダニエル・クリーバーとマークの会話。マークがダニエルにけんかを売っている場面。ここはもちろんダニエルのユーモアでもありますが、余裕をマークにアピールして優位に立ちたいという狙いもあるでしょう。ブリジットジョーンズの日記より。
-So, do you often approach strangers after a movie and get a coffee? 「さて、ところで、あなたはよく見知らぬ人に映画の後に声をかけて、コーヒーを飲んだりするの?」
-Yeah! All the time! Usually I'm wearing trench coat and I have nothing underneath! 「ああ! いつもするよ! いつもだと、トレンチコートを着てて中には何も着てないんだけどね! 」
-Right! Of course! 「もちろん、そうよね!」
「恋するカフェ」より。映画館であった男女がカフェで会話するシーンより。初対面ですが、こんなセリフが絶対冗談だとわかるように出てくると場がなごみます。もちろん、こんなセリフでも気持ち悪く思われない微妙な雰囲気は必要ですが…。 (※この映画は日本語字幕のみです。)
■希望を冗談っぽく臆せず言う
これは、当たっていれば一種ジョークとして笑えますが、その反対でしたら全く笑えません。その真逆ですと場の雰囲気があやしくなるかもしれません。場が読める人と適切な場所にはおすすめできますが、そうでないケースには雰囲気悪化の原因になりますので、一種勝負のセリフですので要注意です!
-You guys ready to go? 「出かける用意はできた?」
-Yeah, what took you so long? 「もちろんだよ。なんでそんなに時間かかったの?」
-Oh! I was just giving you guys a little time to gossip about me! 「まあ! あなたたちに私のうわさをする時間をつくってあげたつもりヨ!」
ビバリーヒルズ青春白書7-24話より。トレースが別の部屋から戻ってきて、ブレンダンとブレンダンの父に言うセリフ。トレースは自分がどう思われているか心配なだけちょっと自分のアピールが過多な気はしますが、父と息子が自分のいないところで自分のことを話していたんでしたら笑いを取ることができるセリフです。
このような場面で、うまくいくつもりが、万が一、場が固まってしまったら、That's a joke! 「ザッツ、エ、ジョーク!」と言って大きく笑いましょう!
-Thanks for offering. But, you know, I really can't go with you to Hong Kong, Brandon. You know, when me and Rob have plans.... 「誘ってくれてありがとう。でも、あなたと一緒に香港には行けないワ。ロブと約束もあるし…。」
特にブレンダンはバレリーを香港に行こうと誘ってはいませんが、自分で行きたいといいつつ、行けない理由をブレンダンに言われ、自分で香港行きを却下したバレリーのセリフです。このように、すべて半分は冗談とわかっている同士の会話でしたら、場が固まる心配はなしです。
ビバリーヒルズ青春白書7-23話より。
同じように、
Thanks for inviting me! 「誘ってくれてありがとう!」(誘ってくれない人にわざと言って誘いをうながす)
That's really nice! Is that for me? 「キャー、ステキ! これ私に?」(とてもステキなものだということを褒める)
など、冗談がわかる人に言って笑いを取ることができます。が、場の空気はきちんと読んでからにしましょう!
■場面を実況する
起こったことを、ジェスチャーを交えたり、声のトーンを変えたり、表情を豊かに表現することで回りの人を笑わせたり、楽しませたりすることができますヨネ。これは英語でも共通の、もっともオーソドックスな、簡単な単語だけでできる方法です。ここに、文字で表現してもたいしておもしろいとは思えないかもしれませんが、映像を見ると楽しい雰囲気が伝わってきます。話し手自身が楽しんでいることを実況して相手に伝えているので、聞いている方も実況に引き込まれてワクワクしてくるでしょう。
-India loves junk food. She spends 20 dollars absolutely just rubbish. Chocolates, lollies.... 「インディアはジャンクフードが大好き。20ドルもってても、まったくの無駄なものに使ってしまうの。チョコレートとか、あめとか、、、。」
-When she eats like salad and stuff, pick up that bit, pick up that bit.... Yuck! Yuck! 「(彼女が)サラダとか食べてると、いや~、きらい~とか言ってあれやこれやつまんで出してしまうの。」
インディアの食べ物の志向をニッキーとラニが表現しているところです。簡単な英語とジェスチャーで表現していますが、分かりやすく、しかも、おもしろいです。
-This massive 12 foot came out. I looked there at Joe. "See yahaa!" And then been both veil and washed out. And those another. " By again!" And we both got through. Like amazing! 「3、4メーターの大波が来て、ジョーが『じゃあネ~』って言って。二人とも波に流されてしまって、また次が来て、『またネ~』って。それで、二人ともこれには乗れたんだ。すごかった~!」
ニッキーがハワイの波を表現しているところです。まったく、感嘆符だけのセリフのようですが、ニッキーの実況は顔の表情や声のトーンも真に迫っているので、とてもおもしろいです。
-My friend Felicity, she's really good friend of Coco Ho. She goes "Hey Coco!". "I've seen you on TV and magazines." And she's like, "Hi!". And I went " Hey, I know you. But you don't know me!." 「友達のフェリシティーがココ・ホーの友達で、彼女は気軽に、『ヘイ、ココ!』って話しかけるの。『テレビや雑誌で見てるよ。』彼女は、『ハーイ』みたいな感じで普通に話すけど、私は、内心ドキドキ『あなたのこと知ってるヨ。だけど、あなたは私のことなんて知らないよね。』って言ってる。」
ハワイでプロサーファーのココに会ったときの感激を、インディアが興奮しながら表現しています。これも文章だけでは様子が伝わりませんが、インディアの表情と声のトーンで、そのときの様子が思い浮かぶ話し方です。
引用は、オーストラリアのドキュメンタリー「ファースト・ラブ」から。※この映画には英語字幕がありません。日本で流通しているもの、レンタルされているものは日本語字幕のみです。ドキュメンタリーなので、作られているセリフが少なく、17歳の三人の主人公のリアルな英会話が勉強できます。
■簡単な単語で話そう