自分から発するとっかかりの言葉
スーパーのようにレジに順番を待つ列ができているところで買い物をするときには、店員さんに自分から何をしたいのか話しかける必要はありませんが、そうでないお店もたくさんあります。 相手がやさしい人でしたら、この日本人は何をしたいのだろうと悩んでくれて「どうしたの?」、「何がしたいの?」、「これかしら?」、「あれかしら?」と言ってくれたりしますが、そうでないケースがほとんどです。英語を勉強しているからには、適切な言葉をマスターして自分から発してみましょう!
日本語でもそうですが、状況に応じて、一番的確な短い表現で、自分が何をしたいのか相手に伝わる言い回しがあります。短い表現なだけに、その状況にぴったりあっているきまり文句がすぐ出てくると、訳のわからない外国人と思われることなく、スムーズに事が運ぶでしょう!
■ここに何をしにきたか
-I've come to donate these. 「アイブ、カム、トゥー…」「これを寄付したくてきたの。」
ジューンが亡くなった夫の洋服を古着屋のレジに出して店員に話しかける場面。
これが寄付ではなくて売りたくてきたのでしたら、donate 「ドネート」が、sell「セル」になるでしょう。
-I'm here for Neal Caffrey, room 11. 「11号室のニール・カフリーはいるかな。」
直訳では、「私は、ニール・カフリーのためにここにいる。」ですが、レセプションでこう尋ねたら、彼の部屋に電話して自分が来たことを伝えてくれという意味です。
ホワイトカラー1話より。
-I'm here to pick up Robin...... I'm here to pick up Robin.... (ドアをノックをする)
「ロビンを迎えにきました。……ロビンを迎えに来ました。…」
-What do you want? 「何のようかね?」
-I'm here to pick up..... 「迎えに来たのですが……。」
-Robin, Limo's here! 「ロビン! リムジンがきたぞー!」
The Hard Times of RJ Berger -12話より。
マイルスがロビンの家に迎えに行く場面。もちろん、マイルスの言い方はまちがっていないのですが、ロビンのお父さんはマイルスのことではなく迎えの車のことを言っています。
もう少し、かた苦しく、長い話しになりそうなフォーマルな場面では、
The reason why I'm here is… 「なぜ、私がここにきたのかと言いますと…」と話し始めてもいいでしょう。
これが電話などでは、このように言うことができるでしょう。
I'm calling to ask you that… 「あなたに頼みたいことがあって電話しました。というのは…。」
I'm calling to tell you that… 「あなたに言いたいことがあって電話しました。というのは…。」
■私は何をしたいか(するか)
バスに乗って降りるとき、もし「ピンポーン」がないとき、「次、降ります」とか、「ここで降ります」と運転手に言いますよね。それを英語でどういうか真剣に悩みました。オーストラリアの田舎に住んで間もないとき、超ローカルな長距離バスで移動しなければならないときがありました。そのバスには「ピンポーン」もありませんし、降りる人がいないときは容赦なく猛スピードで通過するバスでした。結局、自分が降りようとする場所ではたくさんの人が乗ったので、私が言葉を発する必要もなく、バスは止まってくれたのですが…。
いま、まさに止まってほしいときは、
I'm getting off heeere! 「アイム、ゲティングオフ、ヒアーーー! 」「わたし、ここで降りま~す!」
まだ、止まるまで多少の余裕がある場合は、運転手の後ろまで来てこんな風に話しかけてもいいでしょう。
I'm getting off at Palm Cove, please. 「パームコーブで降りたいのでよろしくお願いします。」
-How far is this place? 「そこまではどのくらい離れてるの? 」
-Just around the corner. 「すぐそこよ。」
-(しばらく、デイビッドとナタリーが会話しています。)
-We are here! 「着いたよー! 」「ウィーアーヒア! 」(タコの衣装を着た子どもが叫びます。)
-Oh, wow. That really was just around the corner. 「おっと! まさに、すぐ近くだったね。」
この会話は、どこまでいくか運転する人がある程度分かっている場合に応用できるでしょう。映画「ラブアクチュアリー」より。
お店で洋服を試着して、さて、では、買いましょうというときの決まり文句も悩みました。 「これ試着していいですか?」とか、「このサイズ8ありますか?」とかは、Can I try this on. Do you have size 8 of this? とか比較的簡単に自分の中で文章を組み立てて話すことが可能ですが、買うときはこれが決まり文句です。
I'll take this. 「アイル、テイク、ジス」「これ買います。」
よく、電話の向こうで、とっかかりに何を言っていいか分らないで悩んでいるような人の電話をとったりしますが、「うーんと…」、「あのう…」の次が出てこない場合があります。そんなときの日本語は、
「ワタシは○○といいます。」「ワタシは○○について質問があります。」
というのが一番、簡単で分りやすく、相手に手短に用件を伝えるきっかけの言葉でしょう。
これにあたる英語は、
My name is ○○. I have an inquiry about ○○.
「マイネームイズ、○○」「アイハブアン、インクワイアリー、アバウト、○○」
「ワタシは○○といいます。」「○○についてお尋ねしたいのですが。」
という具合になるでしょう。
■掛け声「いちにのさん!」
日本語から英語にするのに、想像力とか単語力だけではどうにもならないものが、「掛け声」とか応援とかエール、声援の言葉などではないかと思います。それを覚えるには、やはり現場に居合わせないと分かりません。
-OK. Are you ready? On three. One, two, three! 「オン、スリー。ワン、トゥー、スリー! 」「よし、準備はいいか? いちにのさんでいくぞ。いち、に、の、さん! 」
ハンクとモリーの父が、モリーを古い家の床の穴から引っ張り上げるときの掛け声です。「オン、スリー」「3になったら引っ張る」という意味です。ロイヤル・ペインズ~救命医ハンク5-10話より。
■簡単な単語で話そう