love or like 「愛している」のか「好き」なのか
love 「ラブ」と like 「ライク」は対人関係に使うときは慎重に使うべき単語です。日本語の「愛している」は家族に使うととてもぎょうぎょうしくなりますが、英語では家族のことはもちろん love 「ラブ」を使います。親子の場合は love 「ラブ」は責任と同じくらいの意味でお互い「love すべき」ものです。もともと他人で夫婦のように家族になった二人については like 「ライク」では結婚する意味がないでしょう。
日本語では他人に対して「私は彼(彼女)をとても愛しています。」という表現は話し言葉ではあまり使いませんが、英語では、少なくともオーストラリア人からは I love her(him) very much. 「アイラブハー」「アイラブヒム」は、よく聞きます。英語の love 「ラブ」は、特に恥ずかしいことでもありませんし、照れることでもありません。逆に、愛していなければさっさと離婚する、ほどの印象があります。
英英辞書で調べると love 「ラブ」の定義はこうなります。
1.ロマンス
2.大切にする、大事に思う care about 「ケアアバウト」
3.好き、楽しい
4.忠誠心
■「セックス・アンド・ザ・シティ シーズン6」のなかでは love 「ラブ」はそんなに頻繁には登場しません。特に上の定義の1.と2.の両方の意味を兼ね備えたものは、やはり結婚する、今後の人生を二人で生きていくぐらい重要な意味でしか使われていません。
love 「ラブ」には何かにつけ重い責任のようなものがあるということがセリフの中で分かります。ミランダがスティーブに I love you. 「アイラブユー」と言ってしまって、それから、 I should've never said that. I fucked everything up. And now it's too late. I'm sorry I'm doing this. Please don't look at me. 「こんなこと、言うべきじゃなかったワネ。すべてめちゃくちゃにしちゃったワ。だけどもう手遅れよ。こんなことしてゴメン。わたしを見ないで。」と混乱して言います。(12話より)
また、シャーロットがキャリーに Did he say he loves you? 「彼はあなたのこと愛していると言ったの?」と、実際にビッグがキャリーに愛していると言ったのか聞く場面があります。彼が愛しているのだったら、別の男のところに行く意味がないんじゃない? ぐらいの勢いです(19話より)。 love 「ラブ」は、使う相手が厳選され、それを使う時は非常にパワフルな言葉なのです。
like 「ライク」はといいますと、スミスはサマンサを like 「ライク」ですし、アレキサンダーはキャリーのことを「君は僕の lover (恋人)だ」と言いつつも、キャリーのことは love 「ラブ」ではなくて like 「ライク」です。
■love 「ラブ」は人間関係に直接使うととてもシリアスになるので、恋人のあいだでは love 「ラブ」と言えるか言えないかで、またはそれを口に出したことによって見解の相違があからさまになりもっと仲良くなるか、またはそれをきっかけに考え直すきっかけになったりもします。love 「ラブ」は人間関係に使うときは要注意単語です。
-Rory. 「ローリー?」
-Yeah. 「なぁに?」
-I love you. ..... Rory? 「愛してるよ。...... ローリー?」
-Yeah. 「えぇ....」
-Did you hear me? 「聞いてるの?」
-Uh,huh. 「えぇ、聞こえたワ」
-Well, say something. 「だったら、何か言ってよ。」
-I love the car. 「この車はとてもステキよ。」
-That's it? 「それだけ?」
-No! I just.... I'm surprised. I didn't expect... 「いぇ....そうじゃないけど、びっくりしちゃったの。あなたからそんなこと聞くなんて....」
-You don't love me? 「僕のこと愛してないの?」
-No! I just have to think about it for a minute. 「そうじゃないけど、ちょっと考えなくっちゃならないことだから...」
-Think about what? 「考える?」
-Well, saying "I love you" is a really difficult thing. 「だって、人に『愛してる』って言うことはとても難しいことだワ。」
-Oh, I just did it. 「僕は言ったよ。」
-And you did it really well. 「あなたはとてもよくできたワ。」
-What the hell does that mean? 「それってどういう意味?」
こうして、見解の違いで分かれてしまう恋人たちもいます…。あーあ、言わなきゃよかったのになぁ。ギルモア・ガールズ 16話より
関連ページ: 海外TVドラマで英語学習 > ギルモア・ガールズ
-I love you. ..... Oh! no, I didn't mean that! 「愛してるワ。… あら! 違うの! そんな意味じゃないのよ。」
-Okay. 「別にいいよ。」
-No, I...I...I did mean it. I just...I didn't mean to say it. .... Please say something. 「えー、えーと、そういう意味なんだけど…、ただ、口に出すつもりはなかったのよ。… なんとか言ってよ!」
-I don't know what to say. 「なんて言っていいかわかんないよ。」
ビバリーヒルズ青春白書7-17話より。トレースとブレンダンの会話。トレースの「アイラブユー」を聞いてブレンダンは固まってしまいますし、言った本人も、心の中で「しまった!」と言っているであろうと思われる場面です。「愛してる」っていい言葉なのに、場にそぐわなかったのか、なんとも変な空気になっていまいました。
関連ページ: 海外TVドラマで英語学習 > ビバリーヒルズ青春白書
■恋人同士以外でも、「アイラブユー」を口に出して相手に言うことは、相手に対しても、そして自分の心をはかる上でも重い意味があります。
-You know what, nanny. I love you best. 「ねぇ、ナニー、大好きだよ。」
-I love you, too. 「私も大好きよ。」
(Three little word made leaving this child thousand times harder....) 「たったこの三つの単語、「アイ」「ラブ」「ユー」によって、この子にさよならを言うことが千倍もつらくなる…。」
これは乳母と子どものセリフですが、仕事以上に情緒的な結びつきが強くなると分かれるときのつらさも倍増します。「私がクマにキレた理由」より、ナニーのアニーとグレーヤーの会話。
■love はあまりにも重くてまだ心の準備が整っていない場合は、相手が I love you と言ってもビッグのように聞こえなかったふりをしてその場をしのぐのも一つの手ではあるかもしれません。
-I didn't say that "I love the purse". 「『バッグがとってもステキだ』って言った訳じゃないのヨ。」
-And what did he say? 「で、彼はなんて言ったの?」
-He said "you are welcome". 「『どういたしまして』だって。」
-Maybe he thought you said "I love it". 「たぶん、彼はあなたがバッグのことを、アイ ラブ イット、と言ったと思ったのよ。」
-No! It was a very deliberate distinct "you". 「ちがうワ。はっきりとわかりやすく『ユー』と発音したもの。」
-So, he pretended that you didn't say it? 「ということは、彼はそれを聞かなかったふりをしたってこと?」
-Sort of. But we both know I did. So, either he has to say I love you back or I guess I'm gonna have to break up with him. 「そんな感じね。だけど、私が言ったことは二人ともわかってるから、彼が私に『僕も愛している』と言うか、さもなければ、私たちは分かれるはめになるんじゃないかしら。」
セックス・アンド・ザ・シティ2-10話より
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■ノックアウトされそうなステキな愛の言葉
この恋は「ラブ」でしか絶対ありえないと確信したときの相手への言葉です。ニールのようにこんなセリフを言うと相手の心をがっちりつかむことができるでしょう!
-I missed you. 「会いたかった。」 I lied to you about a lot of things, Kate, but I never lied about loving you. 「ケイト、僕は君にいろんなうそをついたけど、君を愛していることは決してうそじゃないよ。」
-I believe you. I love you too. 「信じるワ。私もあなたを愛しているワ。」
ホワイトカラー2-11話より。しばらく会えなかったニールとケイトが出会う場面。
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