I don't know. 「アイドンノー」「さあね」
皆さんが、英語を勉強したての時は、I don't know. は、「私は知らない」と覚えたと思います。私もそうでしたので、英語圏に生活して、人々があまりにも「アイドンノー」をいたるところで使っているので、そんなに「知らない」を連発していいものか疑問でした。
-We have a party tonight! You wanna come? 「今夜パーティーがあるのよ! 来る?」
-I don't know. 「アイドンノー」
-We go shopping after work tonight? 「仕事終わってから買い物に行く?」
-I don't know. 「アイドンノー」
-Have you heard we'll have meeting this morning? 「今朝、ミーティングがあるって聞いた?」
-I don't know...「アイドンノー」
…といった感じです。
どの「アイドンノー」も「知らない」というより、「さて、どうでしょう」、「どうかしらね」、「さあね…」、「そうだね…」、「何といったらいいか分からない」というようなあいまいな返事になります。どの「アイドンノー」も消極的な反応で、「知ってるか」「知らないか」を答えているわけではありません。ですので、「イエス」か「ノー」か答えられないときはとりあえず、「アイドンノー」で断定をさける答え方ができるので大変便利です。そして人々は多用します。
■「どうかしらね…」
-I'm serious. 「まじめに言ってるんだ。」 What are we doing. I'm talking about us. 「いったい俺たちは何してるんだろう。」 Life is too short. 「人生は短いんだ。」What are we doing? 「俺たちは何してるんだろう。」
-I don't know. 「どうかしらね…私には分らないワ。」
セックスアンドザシティ6-11話より
ビックの突然の「俺たちは何やってるんだろう」という抽象的な質問に答えることは不可能です。キャリーは、それより、いったいなぜこの人はなんで急にこんなことを言い出すんだろうという思っているはずです。そして、これは、何と答えていいのか分らない「アイドンノー」ではないかと思います。
■その場をうやむやにする
-You like Shakespeare, Ray? 「レイ、シェークスピアは好き?」
-I don't know. 「わかんない。」
-Did you read all this? 「これ、ぜんぶ読んだの?」
-I don't know. 「わかんない。」
-You don't know. Did you read Macbeth? 「わかんないって? マクベスは読んだ?」
-I don't know. 「わかんない。」
-You read Hamlet? You read The Twelfth Night? 「ハムレットは? 十二夜は? 」 You read all the stories in this book and you don't know if you read the book? 「本の中のすべての物語を読んだのに、この本を読んだかどうか分らないっていうのか?」
-I don't know. 「分らない。」
-You don't know. 「分らないんだな。」
-Listen, our father died last week. Did they tell you that? 「いいかい、レイ、お父さんが先週なくなったんだ。誰か君に言ってくれた?」
-I don't know. 「分らない。」
-You don't know if they told you or you don't know what dead is? 「誰かが言ってくれたか分らないの? それとも『死んだ』っていう意味が分らないの?」 That means he's gone, not here anymore. He's at the cemetery. You wanna go see him at the cemetery? 「父さんは、逝ってしまったんだよ。もうここにはいないんだよ。父さんはお墓にいるんだ。お墓に父さんに会いに行きたい?」
-I don't know. 「わかんない。」
-Does that mean maybe? Maybe you wanna go? 「それは、もしかしたら行きたいかもしれないっていう意味?」
-I don't know. 「わかんない。」
「レインマン」のレイとチャーリーの会話より。もちろんレイは精神的な病気なのでこの「アイドンノー」の使い方はやりすぎですが、会話の最初の一、二回までは「アイドンノー」でその話題をやり過ごすことができます。「ハイ」「イイエ」で言えないとき、断定したくないとき、その話題には触れたくないときに便利です。この映画でも、レイが「アイドンノー」を連発するのはそんなときです。
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