クローザー
私たちは、日常に友人や家族と話す言葉と仕事関係や公の場で話す言葉は日本語でも微妙に違うものです。たとえば、日本語で電話で仕事関係でまたは家族や友人以外の他人に「折り返しお電話差し上げます」、「折り返させていただきます」といいますよね。これはこの言葉の使い方を知っていないと出てこない便利で分りやすい日本語の決まり文句です。もちろん、「かけなおします」、「切ってこちらからまたかけます」でも通じますが、「折り返させていただきます」の方が簡潔で丁寧で分りやすいですよね。「クローザー」には、そういった簡潔で丁寧で分りやすいセリフがたくさんあります。
主人公のブレンダは立場柄、部下に指示する、難しいことでも丁寧な言葉使いで相手にお願いする、それほどまで感謝していなくても丁寧な言葉で感謝していることを伝える、など公の場で使える便利なセリフが満載です。主人公のブレンダは南部の出身でなまりがあり、最初は分りづらいかもしれませんが、何度も慣れるまで見てくださいネ!
■おすすめレベル: 上級、英検2級程度~
■セリフの速さ(話すスピード): はやい時もあり
■セリフのおもしろさ: 普通
■セリフの簡単さ(簡単な単語を使っているか): 少々難しい
■セリフの鮮明さ(何を言ってるかわかりやすいか): わかりにくいときもあり
■取り乱したり、わめいたりするシーンあり。死体の写真や映像あり。
■繰り返し出てくる言葉
シリーズのテレビドラマが英語学習に効果的である理由のひとつは、状況が似たり寄ったりなので繰り返し出てくる単語やセリフが多いため記憶に残りやすいことです。特にこのドラマはほとんどが仕事での会話で、もちろんブレンダの恋愛のエピソードもありますが、相手は職場がらみの人なので、出てくる単語の範囲が一定で分りやすいドラマです。
・homicide = 「ホモサイド」殺人。suicide「スイサイド」自殺と関連づけて覚えると覚えやすい単語です。
・suspect = 「サスペクト」容疑者
・person of interest =「パーソンオブインタレスト」容疑者の意味ですが、日本語の「参考人」のような遠まわしな表現。
・alibi = 「アリバイ」「アラバイ」のように発音するときもあり。事件の現場にいないことを証明できるもの。日本語のアリバイとは違い「ア」のところにアクセントがきます。Give me a confirmable alibi. 「証明できるアリバイを言ってください。」のように使います。クローザー4-1話より
・motive = 「モーティブ」動機。 He has a motive. 「彼には(事件に関与する)動機がある。」というように使います。
・attorney「アトーニー」、lawyer 「ローヤー」ドラマではいろいろな言い方をしていますがどちらも弁護士です。
・sergeant = 「サージェント」下士官のひとつ。ドラマではガブリエルの肩書きです。
・detective = 「ディテクティブ」刑事。サンチェスとダニエルズの肩書きです。しかし、ブレンダが統率するこのチームのメンバーは、ブレンダを含めてすべて広い意味での刑事「ディテクティブ」です。
・lieutenant = 「ルーテナント」補佐官。タオ、フリン、プロベンザの肩書きです。
・murder = 「マーダー」殺人
・bullet = 「ブレット」弾丸
・morgue = 「モーグ」死体安置所
・criminal record = 「クリミナル レコード」犯罪歴
・committed crime = 「コミティド クライム」犯罪を犯す
・crime scene = 「クライム シーン」犯罪の現場
・murder investigation =「マーダー インベスティゲーション」殺人事件の捜査
・search warrant = 「サーチ ウォレント」直訳で捜索の許可。法律用語で捜索令状。これがあれば住んでいる人の許可なく家の中を調べられます。度々出てきます。
・probable cause = 「プロバブル コーズ」直訳で、可能性の高い原因。逮捕、捜索のための相当な理由。ドラマでは They said we don't have any probable cause. 「(電話の通信記録を要求したけど)、正当な理由がないとして断られた。」などと使われています。
・arrest =「アレスト」逮捕する
・surveillance = 「サーベイランス」張り込み、見張り、監視。surveillance tape 「サーベイランス テイプ」で銀行などに設置されている監視カメラの映像。
・blackmail =「ブラックメール」脅す、ゆする。He blackmails me. 「私は彼に脅されている。」直訳で、「彼は私をおどしている。」
・hostage =「ホステージ」人質
・ballistic =「ブリスティック」弾道。ドラマでは弾道を調べる、解析する意味として使われています。
・court =「コート」裁判
・autopsy =「オートプシィ」死体解剖
・deceased =「ディシーズド」他界した人、故人。dead「デッド」より公にふさわしい失礼のない言い方です。 Can you describe your relationship with the deceased, Austin? 「亡くなったオースティンとはどんなご関係だったんですか?」クローザー5-4話よりフリッツが事件に関与していると思われる男に質問する場面。まだ、容疑者にはなっていないので比較的おだやかな聞き方です。
・I'm sorry about(または for) your loss. お悔やみを申し上げます。
・My sincere condolence on your loss. 「…シンシア コンドーランス…」心よりお悔やみを申し上げます。これだとより丁寧な感じがします。
・You have a right to remain silence. あなたには黙秘権があります。取調べの前に必ず言う言葉です。
・(On) What charge? 何の罪で?
■いろんな場面で使える丁寧な決まり文句
That would be very helpful, Mr. Henson. Thank you so much.
「大変助かります、ヘンソンさん。ありがとうございます。」
Thank you very much for your time.
「お時間を取っていただきましてありがとうございます。」
Would it be possible to get a list of all the guests.
「すべての宿泊者のリストを頂くことは可能でしょうか。」
to 以下をかえて様々なシーンに活用できる人にお願いするときの丁寧な表現です。
We value their privacy as much as they do.
「私供は宿泊者のプライバシーをお客様自身がされているのと同じように大切にしています。」
If there's anything I can do to make your stay more enjoyable, please don't hesitate to ask. 「もし、滞在をもっと楽しいものにできるようなことがありましたから、どうぞお気軽にお尋ねください。」 これは通常はホテルなどの宿泊施設で使われる決まり文句です。ここではブレンダが留置所にいるホテルのマネジャーに使っていますが…。
I just want to say how sorry we are, the things we put you through, how much we appreciate what you are willing to do for us.
「私とフリンがどんなにみんなに迷惑をかけたかここで謝りたい。それと、みんながしてくれたことをどんなに感謝しているかここで申し上げたい。」
Let me (do it for you).
「私がやりますよ。」「私にさせてください。」
Do you mind if I observe?
「私も見てもいいかしら。」
observe 以下を変えて様々に応用がきく決まり文句です。
Pardon me for interrupting. If you need any further help with this problem you know where I am. 「話しを中断させて申し訳なかった。この件についてまた役に立てることがあったら、私に聞いてくれ(直訳で、あなたたちは私がどこにいるか知っている)。」
すべて、クローザー2-5話、6話、12話より