ドラマで英会話 実践編 プリティープリンセス
では、実際具体的にどんなふうに楽しく勉強をしていけばいいのかいっしょにやっていきましょう。教材は「プリティープリンセス」です。ジュリーアンドリュースもアンハザウェイもとてもわかりやすい英語です。物語の設定も、ジュリーアンドリュースがヨーロッパの小さな国の女王ですので、はきはきとしていて文法も正しいことと思います。
一回目: 英語字幕、または日本語字幕でみる。ストーリーをだいたいつかむ。
二回目: 英語字幕で見る。分からない単語や言い回しをピックアップする。この時、あまり徹底的にやると辛い勉強のようになってしまうので、楽しんで見ながらピックアップできる程度がいいと思います。 ピックアップした単語の意味を調べてノートに書く。楽しく勉強できれば、この単語調べをとばしてもオッケーですが、何回も見ていく中で、きちんと理解するためには少しずつでも調べていきましょう。全部でなくても、最低、何度も出てくる単語は調べましょう。そうでないと自分の中で勝手に意味づけをしてしまう可能性あり(日本語でもたまに起こりますよネ)。
a crowd 「エ、クラウド」集団
debate 「ディベート」討論
equalizer 「イーコーライザー」均一化するもの
barf 「バーフ」吐くこと
shoot 「シュート」(会話の中で)話しはじめる
shut up 「シャット、アップ」まさか! そんなばかな!
heir 「エア」継承者 (発音は h「エイチ」を発音しません)
foremost 「フォアモスト」最も大切な
into exile 「イントゥ、エグザイル」国外追放
undertaker 「アンダーテイカー」葬儀屋
carriage 「キャリッジ」姿勢、身のこなし
ragging on me 「ラギング、オンミー」私をしつこく非難する、いじめる
harsh 「ハーシュ」手厳しい
lax 「ラックス」規則などがあまい
renounce 「リナウンス」放棄する
diplomatic immunity 「ディプロマティク、イミュニティー」外交官としての免除
slide 「スライド」すべり込む
wannabe 「ウォナビー」(ファッションなどの)まねをする人
you sold out 「ユー、ソールドアウト」(金で)身を売る
Brownies 「ブラウニーズ」ガールスカウトの一種? 詳しくはウェブスターの英英辞書で
royally flushed 「ロイヤリー、フラッシュト」(直訳は)王族に顔が赤面している
三回目: 自分でつくった単語帳をみながら英語字幕で見てみましょう。単語の意味を知るといっそうよく聞き取れるようになりませんか? もし、日本語字幕でまだ見ていない場合は、一度は日本語字幕で見てみましょう。英語で今まで見てだいたいの意味をつかめていた場合でもひょっとすると自分の思い違いもあったりしますので確認の意味で日本語字幕は一度は見て見ましょう。しかし、日本語字幕はあくまでも別の言語に直した場合の意味ですから、完全にイコールではないことに注意しましょう。
四回目: だんだん英語が聞き取れるようになってきたのではないですか?どのような表現がどのような場面に使えるのか、注意して見て聞くようにしましょう。ちょっと余裕ができたところで、今まで辞書で調べなくてもストーリーを理解するぶんには支障がなかった単語をしらべてみましょう。 これをすることによって知っている単語が増え、単語を知らないことにより意味不明だったことがひとつの単語を知ることにより、すぐに理解できる機会が広がります。他の映画やドラマを見たときにこれらと同じ単語がでてくると瞬時に理解できる巾が広がります。 Welcome to new level! 「ウェルカム、トゥー、ニュウレベル!」「新しい理解段階へようこそ!」
riot 「ライオット」騒動
hearse 「ハース」霊柩車
throne 「スロウン」王位
contessa 「コンテッサ」伯爵夫人
inferior 「インフェリア」劣る
consent 「コンセント」同意して納得する
hock 「ホック」質にいれる
ditch 「ディッチ」(俗)ほっからかす
eighty six 「エイティ、シックス」 (俗)取り除く
big bad wolf 「ビッグ、バッド、ウルフ」脅威
toodles 「トゥドルズ」(俗)じゃあね~(ふざけた表現)
五回目以上:だんだんセリフを記憶してきたのではないですか? 登場人物がそのセリフを言っている時の心の中とイントネーションや表情は密接にリンクしています。イントネーションが少し違うだけで全く違った意味になる場合もありますので、まずはまねをすることが重要です。セリフを覚えてきたら、何かをしながらでもいいので後ろに流しておきましょう。楽しく学習することが継続していけることの基本ですので、小さな目標を設定しつつ、飽きないように工夫しながら見ましょう。リリーのセリフはおもしろくて、ちょっとひとひねりしてあって飽きがきません。記憶するには長すぎるかもしれませんが、飽きないためのスパイスとして詳しく見てみましょう。
You never saw two idiots exchange saliva before?
二人のばかがつばを交換し合っているのを今まで見たことないの?
(肯定の文章を最後の before を上げて発音して疑問文にしたものです。
Did you ever see two idiots exchange saliva before? が疑問文にした文章です。never が ever になります。)
Did I miss something? Are we going to wedding?
何だか訳がわからないんだけど。(直訳では、「私は何か見落とした?」) 結婚式にでも行くのかな?
Oh, my word! Is your mother dating an undertaker?
これはこれは! お母さんが葬儀屋の人と付き合ってるの?
Oy, who destroyed you? You look ridiculous. You should sue.
あらまー!誰があなたを壊してしまったの? 変だよー。訴えるべきだ。
You have one of these bags? You know we could hock that and feed a whole Third World country?
あなたもこの手のバッグを持っているの? これを質にいれて開発途上国に食糧を与えることができるの知ってるの?
Michael, can you please pretend you have a life for just one moment?
(直訳で)マイケル、ちょっとの間だけ自分の生活があるふりをしてくれない?(ちょっとだまっててくれない?)
Are you really sure that you can run a country? You can barely keep your goldfish alive for more than a couple of days.
本当に国を治めることができるの? だって金魚もほんの数日でも生かしておけないのに。
So I was stuck with the Happy Houdini while you make out with the Yachting Yahoo.
「私がハピーフディニ(ハリーフディニは有名な手品師)にはまってしまっているときに、あなたはヨッテングヤフー(ヨットにのった野蛮人)とイチャついていたんだ。」 ハピーフディニとヨッテングヤフーが韻を踏んでいてリズミカルに聞こえます。
■何度も繰り返し観て聞きましょう
もうだいたい短い文章は記憶してしまって、見ていて次のセリフがでてくるとか、話しはじめの部分を聞くと次を俳優といっしょにしゃべることができるまでになったら、実践の場に出くわした場合にはそのセリフがでてくるはずです。飽きてしまったら、何かをしながらでも気楽に音声が聞こえる程度に後ろに流しておくだけでもいいでしょう。どのような場面でどのような会話をしているか記憶できているはずですので、あとはできるだけ長期記憶になったと確信できるまで、気楽に聞ける程度でもいいので聞き続けましょう。お母さんの口ぐせを記憶する要領です。
■教材は好きな俳優、好きなテーマのものを
教材探しは好きな俳優、好きな題材を選ぶことにより英語の勉強だけのために見るのではなく好きな俳優の声を聞きたい、好きな俳優を見たいというような別の目的にもなるので飽きても教材以外の目的で見たり聞いたりできるものを選んだほうが最終的には飽きがきません。 また、何回か見て聞くうちに理解できるようになる部分も多いので、自分のレベルより少し上の、早さや語彙の難しいものを選んだ方が飽きがきません。たまにはリラックスすることも大切ですが、進歩するには多少の負荷は欠かせません。
■学習はこつこつと、楽しく、プラス少しは負荷をかけて
語学の勉強は何かのキャッチコピーのようにやさしくてスピーディーな道では決してありません。語学をゼロからスタートして初級に達するまでの累積学習時間は1200時間、中級まではその倍、上級までは5000時間かかると聞いたことがあります。一日3時間毎日勉強したとしても初級までは1年、中級までは2年、上級までは4年かかるのです。ですので、上達するにはコツコツと学習を楽しく、しかも少しは負荷をかけて達成したときにワクワク感が実感できるように続けることが重要です。学習を続けていく上でのワクワクとした高揚感はとても重要です。
■映画やドラマを教材に、リスニング力をつけるには
とにかく、繰り返し映像を見て聞くことです。分からない単語は辞書で調べましょう。同じものを繰り返しみて理解力をつけることも大切ですが、いろいろな場面のバラエティがある必要もあります。映画でしたら、借りて見ることもいいですが、買ってすり減るまでセリフを記憶することも大切です。スピーキングの時、とっさに出てくるのはやはり耳慣れて記憶した言葉です。借りて見るときは、延滞料を気にせず気の済むまで見られる宅配DVDがおすすめです。
■映画やドラマを教材に、話せるようになるには
まずはどのような場面で使えるか繰り返し見て理解してから、まねることです。繰り返しまねていて記憶にインプットされると、日常のそれと似た場面に出くわしたら、そのセリフが使えるようになっているはずです。しかし、まったく同じセリフではなく応用になると、やはりただの記憶ではなく理解力と、応用できる単語をどのくらい知っているか、運動神経的な言葉を発する瞬発力など総合的になってくるので、これは映画やドラマを見たりまねしたりする一方、日常での実践を積み重ねていくしかありません。 好きな映画を完全コピーできるまですり減るほど観賞しましょう!
プリティプリンセスの:
■おすすめレベル: 中級、英検準2級程度~
■セリフの速さ(話すスピード): 普通
■セリフのおもしろさ: 普通
■セリフの簡単さ(簡単な単語を使っているか): 普通
■セリフの鮮明さ(何を言ってるかわかりやすいか): 鮮明